Steam のセール時に買っていた Hob を攻略していました。結局クリアしきれずに、先日ようやくクリアできたのでしたが…
まず、世界各所で色々な賞を受賞している通り良作です。
ジャンルはアクションアドベンチャーとなっていて、その点は間違いないのですが、
どっちかというとアクションRPG寄りっぽいです。
一応概要
…正直全てのレビュアーが同じ事を書いている気がするのですが…とてつもない高所、若しくは空中に浮く巨大機械建築物、その上に出来た自然豊かな森が主な舞台。
公式には瓦解した惑星なんだそうですが、上の字面を読んで解るとおり、まんま「天空の城ラピュタ」です。
ご他聞に漏れずメンテナンス用のロボットもおり、地上に居るロボットの大半は朽ちていますが地下には現役で働いているロボットも居ます。
で、ゲーム内容はゼルダの伝説…らしいけど、あんまりやったこと無いんですよねゼル伝。剣、パンチ、フックロープアクション等を駆使して戦ったりはしますが、戦闘はメインではありません。
このゲーム、文字による情報がとてつもなく少ないです。
操作説明と、ロード中に出てくる操作系のヒント以外はほぼ文字がありません。
文字情報に頼らないゆえ世界中でプレーされているのかもしれませんが、主人公達の名前すら解りません。
主人公は物語冒頭で地上で生き残っている最後のロボットに導かれ住処を出て、地上に出たのですが、敵性の生物に襲われて重症になり、左腕を機械化されます。
ロボットはなぜ主人公を外に連れ出したのか、主人公はなにを目的としているのか?
一切語られませんが、主人公の当面の目標は「地形を元の姿に戻す事」になります。
地上部分は不思議な森ですが、一旦地下に潜れば基本的には機械的な建築物のある空洞であり、地上と地下を行き来して、電源を通したりスイッチを入れたりと各種ギミックを解いていくと、マップがせり上がり移動可能箇所が広がっていきます。
導き手の草の生えたロボットはたびたび主人公に次の目的地を指し示して行きますが、
どうもこの地形の復旧を促しているようです。
不満点
アクション自体は無難な出来なのですが、任意にカメラを動かす事が出来ません。基本的に俯瞰視点ですが、狭い場所に行くとバイオハザードのような視点に自動で切り替わったりします。
このゲーム最大の死因は転落なのですが、唐突にカメラ視点が変わる→操作方向の変化に気付かず転落パターンが多々あります。
マップが複雑なので致し方ないのですが、コリジョン判定に失敗している部分があり、
嵌ると動けなくなる所が数箇所あります。
問題は主人公が自動制御→小芝居→プレイヤーに制御が戻る、という演出部分。
自動制御中にコリジョンにひっかかり、プレイヤーに制御を戻せずにループに陥る進行停止バグを一つ見つけました。
…10年以上前になりますが、ゲーム開発者時代に同様のバグを作った事があるので身につまされます…
以後ネタバレ
どの道語られる事は無く、真実は解らない(開発者くらいしか理解できないんじゃないかな)のですが、勢力図と各勢力の行動から物語を推測していきます。
この世界にある勢力
ロボット:友好
この世界の機械を管理しているロボット。無機物が空中に浮遊している世界でかなり高い文明を維持している。導入部で主人公と会話しており(謎の言語。文字にも起こされていない)、
主人公の種族とは対等もしくは使役関係にあり、このロボットがこの世界の機械を管理している事から、主人公の種族とロボット達がこの高度な機械文明を作ったと推測される。
打撃と右腕に仕込んだ剣が武器で、後述する抗争で戦闘もしていたと思われる。
地下にはガードロボットが確認できる限り3種居る。
斥候用のサーチライトロボット、斥候もしくは警報機が反応すると殴ってくるロボット、そして銃撃してくるロボット。
これらは問答無用で主人公に敵対してくるが、只職務をこなしているだけかもしれない。
全体マップに表示されるレベルの超巨大ロボットも数体居るが、機能停止している。
青い人型:敵対
目が無い以外はほぼ人型の武器を持った生命体。剣、槍、盾からブーメランなど各種武器を使ってくる。倒すとお金を落とす。
目が無いせいか非常に視界が狭いらしい。
良く見ると序盤から後半になるにつれて武器がパワーアップしていく。
最初は木製の武器を持っているのだが、後半は金属パーツが増えていき、
最終的には金属製の防具を備えたものまで出てくるため、知的生命体ではあるらしい。
主人公/ロボット同様何事か喋っているのだが言葉は解らない、主人公/ロボットと共通の言語かも解らない。
度々ギミックがある場所を力ずく壊そうとしている為、侵略者である事が伺える。
又、この惑星も外敵から身を守る為に地形をパージした事が解る。
野生動物:中立
地上に居る動植物。現実に居る動物がモチーフな事が多いが基本的にファンタジー風味。くつろいでいる動物に対してXボタンで撫でる事ができるが、武器ボタンと共通の為、
剣を出している状態だとうっかり傷つけてしまう事も。
野生動物:敵対
何種類か居る主人公を襲ってくる動植物。繭上の巣を作っている甲虫(羽虫)型の敵
ちなみにこの巣には団子虫のような幼虫が居るが刺激を与えると爆発する特性があり、
巣の近くに居る団子虫を攻撃すると、巣の中に逃げ込み爆発して巣が消滅する。
尚、青い人型のうち、背中に籠を背負ったタイプがこの団子虫を投げつけてくる。
主に砂漠地帯に居る虫(地上を走るタイプ)
数を頼みに襲ってくる地中から出てくる虫。
紫の猿
鳴き声が犬っぽい敵、砂漠地帯と草原に良く出没する。
4足歩行で走ってくるのに腕で攻撃してくる。
当初青い人型の一種かと思っていたが、どうみても知性は無く、後半も変化が無い事から動物らしい。
又、後述の毒化させられた動物かと思ったがそれも違うようだ。
ちなみにこいつらには一回りからだの大きいボスが居る。
水槽に居る巨大魚
一撃で飲み込まれて即死になるトラウマ級の巨大魚。
茨
各地に絡まっている棘のある植物。
触るとダメージがある。活性化したツタがあり、近づくと突いて攻撃してくる。
砂漠地帯には弾を飛ばして攻撃してくるものも居る。
尚、こいつの蕾の中には結晶を持っているものがあり、この結晶を取り出して割る事で主人公の体力が上がる。
マップ内の収集物の一種。
一つ目の白い妖精:友好
各地に群れを作っている妖精。実はロボットの心臓部を作る能力が有り、心臓部を失ったロボットの心臓部を作り直して再起動したのが、主人公を導く草の生えたロボットらしい。(公式漫画より)森に出歩いている連中も居る。どうも喋る事ができるらしい。
紫の毒性生物:敵対
物語の最初で主人公の腕を奪ったスライム状のなにか。これに刺された動物は急速に浸食、モンスター化させられる特性があり、主人公はこれの出してきた棘が左腕に刺さり、倒れている所を発見した案内人ロボットが即決で腕を切断した。
白い大型妖精を取り込んでコアとして巨大コロニーを作っている。
触るとダメージがあり、活性化した角状の触手で攻撃してくる事もある。
野生植物の茨に似ているが段違いにダメージが大きい。
惑星内に数か所コロニー(と、そのコア)があり、対になるように各コロニーに捕えられた妖精が居る。
捕らえられた妖精を助けるとコアまで飛んでいき、妖精が謎の音波をコアに照射→コアから変異した大きな妖精が出てくる→主人公が変異した妖精に剣を突き立てる→コロニー消滅のプロセスを通る。
全コロニーを消滅させないとエンディングにたどり着けない。
毒化させられた動物:敵対
シカのような角を持った野生動物が感染した物。主人公を見つけると叫びながらつっこんできて一定時間で毒をまき散らして自爆する。
壁画
各勢力以外に物語を推測できる要素として壁画がある。このゲームは主人公が持っている剣を鍵として壁画のある部屋に入る事ができる(4箇所)。剣は収集アイテム且つ、主人公の攻撃力の成長そのものであり、厳重にロックされている事から
「成長した者にのみ伝える情報」であると推測できる。
内容はこの世界の歴史についてで、大雑把にいうと、
1.塔(全体マップ中央にある浮いている塔)に居る統治者によって世界は統治されていた。
2.外敵が来て戦争になった。
3.なにかしらの災厄を呼びこんでしまった。
という事を示す絵らしい(どっちかというと Steam の実績の名称からの方が推測できる)
ちなみに戦争になった事を示す絵の傍らには主人公の同族と思われる人物の遺体があるが、身長が主人公の3倍ほどあり、主人公の種族は成長すると大型化する事が解る。
そしてエンディング
全てのコロニーを消滅させると大型妖精から贈り物を受け取る事ができる。この贈り物、最後のコロニーのあった場所にある巨大ロボットを駆動させる心臓部なのだが…
この最終コロニーはおびただしい数のロボットが遺棄されており激しい戦闘の跡と推測される。
(ちなみに公式漫画によるとロボット達が戦っていたのは紫の毒性生物らしい)
又、巨大ロボットが再起動すると立ち上がり、空中に浮いた統治者の塔まで腕を伸ばして道を作ってくれる。
統治者の塔にたどり着いた主人公だが塔自体が毒化されており、背の高い椅子に座った統治者達もすっかり毒に浸食されている様子。
ただ、中央にいる女王と思われる人物のみなんとか凌いでおり、瘴気で毒化されそうになった主人公を自己を犠牲にして解毒してくれる。
ひょっとしたら主人公はこの女王の子供なのかもしれない。
最後に女王が主人公になにかを語る(やはり何を喋っているかは不明)→女王に手を差し伸べるか剣を向けるかを選択してエンディング…
…実は剣を向けてエンディングを出した事が無いのですが。
以上を踏まえて推測できるお話
ベタなパターン
敵対する青い人型の生物が、紫の毒性生物をけしかけて侵略してきた。…まあ、ありえません。
そんなものをけしかけても青い人型にメリットも無いし、
主人公の種族が一方的に侵略された被害者なら最後に主人公が女王に剣を向ける理由がありません。
青い人型は後から来たパターン
主人公達の種族は何らかのトラブルにより惑星が紫の毒性生物に覆われていき、地上を破棄して塔に逃れた。その後青い人型が地上を侵略しにやってきた。
トラブルの原因が統治者達にあるとすれば、主人公が女王に剣を向けた理由は解るのですが、地上に主人公の同族が生存していないにも関わらず戦争が起きた事を示す壁画が残されており、同族で戦争をした事になりそうです。
漁夫の利的に乗り込んできた青い人型も、主人公の種族が滅んでから乗り込んだ割には装備が物騒すぎます。
ロボットの反乱パターン
後述の4亀の記事にはマシンの反乱とありますが…ロボットの反乱に対して統治者側が紫の毒性生物を作って対抗したと考えるパターン。
公式漫画でロボットと毒性生物は戦っていましたから間違っていないような…って、統治者も主人公も毒性生物は制御できていません。
しかも惑星の機械は左腕のロボットアームで起動認証しているシーンが多々あり、ロボットでないと起動できず、ロボットと敵対した時点で惑星の機械の制御が不能になります。
ロボットとの友好関係を失う事自体が死活問題であり、敵対する事自体が無いと思われます。私が最もあり得ると推測しているパターン
主人公の同族は高度な機械文明をもって暮らしていた。友好種族の妖精の力を借りてロボットを稼働させる事ができ、巨大機械施設を維持できていた。
そこに青い人型の種族がやってきて戦争になった。
主人公の同族はこれと戦ったが長引き、防衛のために地上の大部分をパージ。
ただし、このパージした部分に貯水槽や電源施設が含まれる為ライフラインを失ってジリ貧になっていったものと推測される。
ここで主人公の同族は決戦のため妖精から更なる力を得ようとするが暴走、毒のコロニーが出来上がる。
(ここまでは主人公の同族は地上で生存していて壁画を描いていた)
主人公の同族の統治者はロボットを盾にして塔に逃たが、時既に遅く塔も毒化されていた…
このパターンだと主人公が女王を許すか敵対するかを選択する理由が適当かなと。
なんにしろ、いろいろ考えられる良い世界観、天才的なマップデザインを見せてくれた良作でした。
ついでに
4亀に Hob の記事があるのですが…トレイラーのみで書いている為、信憑性がかなり低いというか…左手を機械化された主人公がテレポートさせられた所から始まる…と書かれていますが、
前述の通り、主人公の左腕は物語序盤で失ったものであり、開始当時は生身でした。
住人とコミニケーションを取っていくとマシンの反乱であると…
コミュニケーションが取れる住人は野生動物と案内人のロボット、ラストの女王とその部下のみです。状況を説明してくれる住人は居ません。
ロボットの心臓部が妖精によって作られており、紫の毒性生物もコアに妖精が関わっている事から、ロボットの心臓部の暴走で毒コロニーが出来たと考えれば、マシンの反乱といえなくもないかもしれませんけどね。
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