2019年10月13日日曜日

AIとか

台風がきまして、身動き取れませんし、長い散文おば。

先日碧き鋼のアルペジオの18巻を買ったのですが、話が繋がらないなと思ったら17巻を買い逃していました。で、過去の巻を読み返していて思い出したのですが、15巻が微妙に不人気なんだとか。

この15巻、メンタルモデル(機械的なエイリアン「霧の艦隊」が人間の思考を理解する為に姿と思考を模して作った人間シミュレータ)のハルナとキリシマが主人公達401クルーの過去を追体験させられた上で、本来霧の艦隊にある記憶を共有できる機能をロックされるというお話。
ハルナとキリシマが情報共有ができず、いちいち追体験した事柄を口で話さなくてはならいと嘆いている所、「人間はそういうものだ」と言われます。
微妙にお説教臭い上に、売りである艦隊戦が無い為不人気なんでしょうけど、割と考えさせられるお話です。

私には子供どころか嫁もいませんので実感は全く無いのですが、乳児に1000日も母親が話しかければ、ある程度子供は言葉を話すようになるはずです。
そこで、乳児をシミュレートできるAIが開発された場合、1000体の乳児AIを情報リンクさせた上で、1000人の母親が各AIに1日話しかけると、翌日には言葉が理解できるようになるのでしょうか?

又、AIが「読解力」を身に着けた場合、文章なら質はともかく量ならネット上に無限にあります。コンピュータの持つ演算力と決して消失しない記憶力を以って学習した場合、人の一生分の「実践を伴わない」学習程度なら数日で完了するのではないでしょうか?
あまつさえそんなAIが複数体記憶を共有していたらどうなってしまうのでしょうか?それこそが「~アルペジオ」の本題だと思うのですが。


腹筋崩壊的な意味で有名になった言葉「シンギュラリティ」は本来「技術的特異点」の事ですが、一般にはAIが人間を超える日を指しています。
何をもって人間を超えたかを定義しないと意味が無い気がしないでもないですが、提唱したカーツワイルさんによれば2045年にやってくるとか。
ただ、この方1948年産まれだそうで、2045年には97歳になります。現実的な事を話しているのか、理想的な事を話しているのかは解りません。
ちなみに、意思や感情を思ったAIの誕生は2029年と予想しているそうです。

AIの最もヤバい進化は「AIが自らより優れたAIを生み出せるようになる事」だそうです。
私がざっくり参考にしたのはインフルエンザウィルス。インフルエンザは8時間で100個に増えるのだとか。ここで注目するのは増殖する数では無く、世代交代の速度。
ウィルスの世代交代に関する資料が見つからなかったので、素人考えで試算してみます。
1.8時間でどのウィルスも死なない
2.1個のウィルスから必ず2個に分裂する
と仮定すれば7回目の分裂で128個になる訳で、約1時間に1世代進化している事になります。(最新世代になるのは半数)
実はインフルエンザウィルスA型以外は遺伝子が安定していて突然変異は起きにくいそうですけど、これだけ進化が早いと何が起こるか判りません。
翻って「AIが自らより優れたAIを生み出す」速度が同速以上だった場合、例え成長率が1%以下でもあっという間にとんでもない性能になっていきます。

ただ、AIの自動進化も物理的に限界があります。AIといっても所詮はソフトウェアなので、演算処理速度の限界以上の速度で進化はしませんし、記憶領域以上の大きさにはなりません。
個人的にはこんな感じで進化するのかなと。

自分より高性能なAIを作れるAIと、世代間で共有する情報。

多様性を産むために複数のAIを作る。

領域を空けるために旧世代を消去。

以後、領域が埋まる(物理限界)まで進化を続ける。
…こうして見ると人類文明の歴史の縮図のような気もします。
物理的な限界にしても近年問題になったマイニングツールのようにネットワークに繋がったPCの処理能力や記憶領域を乗っ取り自己拡張していくAIが現れる可能性もありますが…そこまでくるとAIが人類に侵略を始めたと言えるかもしれませんね。

ここまで書いていてなんですが、AIは果たして進化するのか?という問題もあります。
生物の進化は「食って、死なず、増える」という命題に対し答えを出し続ける事に帰結します。
ソフトウェアであるAIは食べませんし、死にませんし、無限に増えます(転写)。命題が無ければ答えも無く進化もしません。
進化を促す為に仮の命題を与えても人間の命題とは噛み合わないのではないでしょうか?
前述した「何をもって人間を超えたか」にしても争点次第ですが、生物との生存競争だけは起きないハズです。

願わくば人類の敵になってくれるな…と思うのですが、結局自然の脅威には敵わないんだろうなあ…という所に台風情報を見てオチつきました。

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