時間があれば読むかあと思っていてほったらかしていたのですが、この度購入して2日で読了。私、本は買って数ページ読んで投げ出すことが多いので読了できたのはちょっと驚きでした。
※最近は漫画でもワンピースあたりは読み疲れる…
ざっくりレビュー
見た目は子供向けで、5篇(基本/日本/アメリカ/中国/ロシア)90章からなるコラム集です。
イラストが多く字を読むページは大体半分の150ページほど、文章は口語体で1コラム見開き1ページ(片側はイラスト)のため読みやすいと思います。
本文を読んで最初に気づいたのですが、そもそも「地政学」は軍事用語でそれを日本を主体に書いてますからある程度バイアスがかかる点は留意が必要です。
22年発行で、ウクライナ戦争開始時、バイデン政権下で書かれた本で、おそらく著者としてはトランプ大統領の再選は誤算であったのではないか?と思われる面もあります。
用語や世界の留意ポイントを知る入り口としては良い内容だと思います。
ただ、前述の5篇が中心となるため、東南アジアやアフリカ大陸、南米大陸はかなり薄い内容となります。
これはまずいと思った点
内容にバイアスがかかっているのは日本を主体に書いているし、人が書いているものだから別に良い(言うほど偏ってもいない)として、地図にバイアスがかかっているのは流石に「地政学」としてまずいと思いました。
最も顕著なのはロシアの章の最初のページ。メルカトル図法をそのままスライドしたような地図なのですが…メルカトル図法のロシアって実際の面積より3倍くらい広いのですよね。
例えば、世界最長の鉄道であるシベリア鉄道のウラジオストク(北朝鮮の少し北辺り)からモスクワまでの距離は9300kmくらいで確かに長いのですが、北海道北端稚内から九州南端の枕崎までは3000kmです。メルカトル図法の地図を見ると、とても3.1倍程度には見えないですよね。
流石にこれでは印象がだいぶ異なります。私が購入したのは第4刷ですが、今後重版するなり続編を出すならこれは改善して欲しいですね。
気になった話
ロシアの話の中で「北極海の石油埋蔵量は世界の1/4で全世界のエネルギー消費の35年分」と説明が出ています。
※読み返したら「見つかっていない石油の」と書かれているので全体埋蔵量の1/4では無いかもしれない
素直に考えると140年で石油は枯渇します。100年後くらいには特殊用途でしか使えないエネルギー(ロケット燃料など、直接燃焼して爆発力を利用する場合。発電用途では使えなくなるのでは…)になっていそうで、そうなると世界の見え方は大きく変わっていそうです。
だいぶ前に連載が放棄されてしまったムーンライトマイルという漫画があるのですが、これの序盤の本筋は月で発見されたエネルギーを地球に持ち帰る採掘基地を建設する事であり「ロケット燃料が作れるうち(化石燃料が枯渇する前)にエネルギーを持ち帰らなければならない」と言っていました。
シェール革命のような技術革新が起こって140年後以降も化石燃料を掘っている可能性は高いですが…
140年後はエネルギーの代替が進んで今話題のホルムズ海峡もペルシャ湾リゾート地の入り口程度の役割になっているかもしれません。
こんな感じで地図やニュースの見方の指標を設ける機会に良い本なのではないかと思いました。
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